『ぬはり』通巻1100号記念号(2025年6月号)
今号、2025年6月号で短歌誌『ぬはり』は1100号を迎えました!
創設者の菊池知勇、共同創設者の和田山蘭、高鹽背山、そして『創作』から『ぬはり』の独立を快く認めてくれた若山牧水に感謝の意を表したいと思います。
昭和2年から活躍した先人たちの努力が、この1100号に込められていると思います。
1100号という記念号を迎えることができて、会員一同、感無量です。
上の写真が今回1100号を迎えた6月号の『ぬはり』、そして下の写真は古い『ぬはり』の合本です。
※合本とは1年間分の短歌誌を1冊にまとめたもの。
今号には1100号を記念して、「『ぬはり』通巻1100号記念ーこれからのぬはりのためにー」というエッセイを管理人が書かせていただきました。
98年間も続いていれば、代表が何度も代替わりし、そして歌風にもさまざまな変化があります。
そうして変化を100号記念や200号記念号を紐解いて、当時の代表が何を考え、当時の会員がどのように短歌と向き合ってきたかをまとめたものです。
そして今号の菊池知勇短歌の鑑賞コーナーでは、次の菊池知勇の短歌を掲載し鑑賞しています。
机には何もおくまじときとして吾のこころとペンをおくべく
(菊池知勇 昭和12年作)
机には何も置かずにおこう、時として、自分の心とペンを置くために。
このように言い切った歌人としてのすさまじい覚悟の一首だと思います。
そして同時に文人としての心得を説いたものでもあります。
1100号を重ねていく『ぬはり』は、戦中戦後の時勢に翻弄され、そして多くの出来事がぬはり社短歌会をゆさぶりました。
ですがその度に、創設者の菊池知勇が詠む「机には何もおくまじときとして吾のこころとペンをおくべく」というこの歌が、会員の根底を支えてきたと思います。
そして来月号の2025年7月号で、とうとう『ぬはり』は1101号となります。
また1号、1号、通巻を積み上げていく短歌誌『ぬはり』。
会員一人一人が歌人として、ぬはりを温かく包み込み、未来の歌の世界を創っていけたらと願ってやみません。
これからも、短歌誌『ぬはり』をよろしくお願いします。
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