「ぬはり」6月号発刊中
まもなく雨の時期を迎える首都圏地方です。
短歌誌「ぬはり」6月号が発刊しています。
通巻1088号です。
今回の「ぬはり」では巻頭の菊池知勇短歌の鑑賞にて、菊池知勇の代表作である「武州御獄籠り」という一連の短歌群の中から、次の歌を取り上げています。
ひしひしと 太幹並(な)めて 山蔽(おお)ふ
杉の一つに 手を觸(ふ)れて見つ
三十七首あった中の一つがこの歌になります。
当時、菊池知勇が参加していた若山牧水主宰の『創作』の巻頭をかざった歌群です。
この歌にみなぎる生命の息吹、まるで太古の世界の木々に触れたかのようなすごみ、自然への深い愛情を感じさせる歌です。
作者である菊池知勇が杉が立ち並ぶ壮観さに心打たれたこの短歌は、思わず触れてしまった杉の生命感にどっしりとあふれています。
この歌の鑑賞や解釈を昭和40年代のぬはり社短歌会の歌人が行っていますが、それを今回、再掲載しています。
※当時の言葉でわかりづらい語句などは、現代風に直して掲載しています。
ぬはり社短歌会もまもなく百年を迎えます。
こうして創始者である菊池知勇先生や歴代のぬはり社短歌会の人々がどんなふうにこの短歌誌面を創り上げてきたかということを考えながら誌面を見つめると、長い歴史の重みを感じます。
そして季節は梅雨の時期になりますね。
雨と紫陽花の季節が素敵な歌を生み出してくれますように・・・・・
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